少子化対策にせよ経済対策にせよ、財源を国債に求めようとすると、必ずでてくるのが将来世代に借金を先送りせず財政を健全化せよという反対意見である。
国債を発行すれば将来世代がその返済をしなければならず、将来世代への負担になるという理屈だが、そもそも国債は将来世代の税収によって返済することは想定されていない。
財務省も、国債は借り換えで運営していて、将来の税収で返済するというのは間違いであることを認めている。財務省は国債60年償還ルールについて、「あくまで公債政策に関する政府の節度ある姿勢を示すために導入されたものであり、文字どおりの減債、すなわち国債発行残高の減少を目指すものではなかったことを確認」している。
多くの国民が国債は必ず将来の税収で返済するものと騙されてきたにすぎない。グローバルの標準的な財政運営では、国債は永続的に借り換えしていくものであり、政府予算の歳出に、国債を返済する償還費を計上している国は日本だけである。
また、財政再建論者がよく主張するものとして歳出と税収の差が開いていくという「ワニの口」がある。政府の純金融負債残高が90年代後半から増加の一途をたどり、財政赤字が「ワニのクチ」のように開きっ
放しの状態を言う。
放しの状態を言う。
しかし、財政再建論者はもう一つのワニの口があることは無視している。民間部門の純金融資産残高である。90年代後半から青い線を上回る勢いで一貫して伸び続けている。これこそもう一つの、そしてより巨大な「ワニのクチ」にほかならない。政府がいくら借金を重ねても、民間の余剰資金が増えるペースには追いついてこなかった。
膨れ上がった政府の借金が、将来世代に引き継がれていくことは確かである。しかしそれを言うなら、もっと大きな規模の民間の金融資産も、将来世代に引き継がれていく。
マクロ経済学的には、緊縮財政によって、日本経済が成長できず、投資と雇用が生まれず、将来世代に豊かな経済を残せない方が、負担の先送りになる。
そして財政再建派の強い日本は、その間違った方向に進んでいる。
はげみになりますので、クリックをお願いします


