老後生活に年金だけでは2000万円不足するという金融庁の発表が物議をかもしたが、今ではこの金額はさらに拡大しているらしい。
実際は正社員の場合、退職金が期待できるので、退職時に住宅ローンが残っていなければ年金と退職金の取り崩しでそれほど預金がなくても生活できることになる。
夫婦共正社員の家庭の場合は二人分の厚生年金がある為、年金収入だけで月26万円を上回り、さらに3000万円以上の退職金も期待でき老後生活をあまり心配する必要はない。
彼らはめぐまれた老後をおくれる所謂勝ち組である。
一方で正社員として働いても、退職金が少ないか出ない中小企業に勤めてきた場合は老後資金が不足することになる。しかもこの場合給与も高くないことが多いので2000万円の老後資金を蓄えることも難しい。
非正規社員として働いてきた者の老後は悲惨である。そもそも厚生年金ではなく国民年金しか加入できない場合も多い。この場合は夫婦共満額国民年金をもらったとしても月12万円程度の年金しかなく、同じように計算すれば5000万円以上不足することになる。当然退職金は無く貯蓄する余裕もないことからこれだけの資金を用意できるはずもなく、完全に老後に破綻する。
正社員3500万人に対し非正規社員は2100万人に達している。非正規社員については、ほぼ老後に何らかの支援をえることなく生活することは不可能なのが今の日本の実態である。
問題なのは政府がさらに年金を改悪し社会保障負担を増加させようとしていることである。その結果、非正規層や退職金の出ない会社に勤務していた者だけでなく、普通に退職金の出る会社に勤めていた比較的賃金すくなかったそうまでもが老後を安心して生活することが難しくなりつつあることである。
このまま政府が同様な政策を継続すれば、国民の半数以上が75歳以上になれば破産することになっても不思議ではない。
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