日銀が金利引き上げを発表してから円高株安が進行している。0.25%程度の金利引き上げが経済実態に及ぼす影響は軽微であり、その点では日銀総裁の発言は間違っていない。
しかし、どうも思惑通りにはいかなさそうである。為替の反応も株価の反応も経済実態と乖離して極端に動いている。
日銀が間違えたのは投機筋の動きである。日本株は市場最高値圏にあり、これ以上値上がりをさせるには相当のエネルギーが必要となる。一方下げに関しては比較的少ないエネルギーで実現可能な状況にあった。
今回の日銀による利上げは投機筋にとっては絶好の機会を提供したといえる。円高・株安は30年以上日本で進行しヘッジファンドに多額の利益をもたらした必勝パターンである。
機能・今日の為替や株価の動きを見ると、その必勝パターンが実現しつつある。このままこの状態を放置すれば再び日本経済が停滞する可能性が高い。
政府が進めたニーサに乗った国民は多額の含み損をかかえており、個人は消費にはマイナス要因である。また、円高や株安は多くの企業の設備投資意欲を失わせる。
日銀が金融正常化を志向することには反対しないが、為替と株価については引き続き配慮していかないと日本経済を再び失われた30年に戻すことになりかねない。
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