農林中金が1兆5千億もの損失を計上したのは、リーマンショックに懲りて株式投資を止めたからである。羹に懲りてなますを吹くの例えの通り、リスク資産への投資の失敗に懲りて安全と思われる債権に投資をした。それだけでなくさらに安全を担保する為に外債投資には為替ヘッジをつけた。
このリスク恐怖症による万全なはずの安全策が農林中金に大きな損失をもたらしたのてある。
リスクに対する過度な恐怖は日本人の特徴の一つである。元本を少しでも割れることを恐れるあまり、政府がどんなに旗をふっても株式投資にのりだせない国民はかなりの比率を占める。
一方で低金利の預金では老後生活に不安がある。その結果安易な元本保証を信じて詐欺に騙される国民も後をたたない。リスクを恐れていてはこれからの時代に老後を迎えることき難しい。
同じくリスクに対する恐怖心が原因となって普及が遅れているのがキャッシュレス化である。政府は今年新札を発行したが、そんなことをするよりはもっと積極的にキャッシュレスの普及を果たすべきであった。
キャッシュレス化においては日本はアジアでも最も遅れている国の一つといっても過言ではない。その原因は国民の過度なリスクへの恐怖心である。
普及してから長いクレジットカードでさえ、未だに悪用されるのが怖いと言って利用しようとしない国民は多い。paypay等のキャッシュレス決裁についても情報が盗まれるとか悪用されるとかの恐怖が強く利用しようとはしない者が多い。
もちろんクレシットカードの悪用やキャッシュレス決済の悪用は存在する。しかし、その原因やリスクの範囲を合理的に判断するのではなく、訳は分からないが恐ろしいものとして避ける傾向がある。
株式投資が増えることもキャッシュレスが普及することも、日本がこれからの未来に各国に伍していくには必要なことである。
国民に教育や啓もうの機会を設け、これらに適応させるようにすると同時に、キャッシュレス化やマイナンバーカードの活用についてはもっと強引に推し進めるべきである。
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