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2024年07月01日

日本企業で不祥事が長期間発覚しない理由

日本企業の不正が多々明らかになり、日本企業への信頼が揺らいでいる。経営者の資質の問題もあるが不祥事の全てが経営者の無能によるというわけではない。原因はむしろ日本の株式会社システム及び法律の欠点によるものである。

日本の政治的伝統の中では独裁者は少なく、歓迎されない。しかし、政治以外の分野に目を転じれば、日
本は小独裁者で溢れていることに気づく。

実は、日本では企業経営者はオーナー経営者でなくても誰でも独裁者として君臨できるシステムになっている。

多くの日本の上場企業では、取締役のほとんどはその生涯を会社に捧げてきた社員出身者である。社長の就任期間が長ければ長いほど取締役のほとんどが現社長により昇任させられた者となり、取締役会は社長の経営を監視する機関ではなく、協賛する機関になってしまっている。

これでは、経営のチェッックも反モラル行為への牽制も内部からは起こりえない。

これを改善する方法として採用されつつあるのが社外取締役制度である。会社法改正で日本でも社外取締役の制度が導入されたが不十分で機能していないことは、各社の不祥事の例をみても明らかである

肝心なのは、会社から実質的に独立した独立取締役の選任を義務づける制度である。日本においても社外取締役の最低人員が定められたが、経営陣からの独立性という点においては十分ではない。

アメリカのNYSE規則は、監査委員会と報酬委員会は全委員が独立取締役でなければならないと定めている。日本でも監査委員会は過半数が社外取締役でなければならないと定めているが、これも社外取締役に独立性がなければ有名無実である。

一応日本においても、外部や株主からの批判を避けるために監査委員会や報酬委員会等経営陣の権限を制約する組織は導入されてきたが、これらの委員会を社長等の経営者権限への制約として本当に機能させるまでには至っていない会社が非常に多くあり、実質的には機能していないところが多い。これが不祥事が見過ごされる遠因となっている。


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posted by ドクター国松 at 10:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本企業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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