いま改めて「働かないおじさん」問題が注目を集めている。日本の企業では身の回りに多くの働かないおじさんがいるという不満がよく聞かれる。しかし、それは働かないおどさん個人の責任というよりは日本企業の抱える組織的問題だと言える
その一つの原因として役職定年制度がある。定年の実質的な延長と時を同じくして定められた役職定年制では一定の年齢になれば役員にならない限り役職から退くことを要求され、同時に給与も下げられる。
一部の企業では実質的な仕事内容が変わらずに役職手当と給料が引き下げられるケースもある。
2017年時点において、企業全体の16.4%、従業員規模500人以上に絞れば30.7%の企業が役職定年制度を導入している。年齢で一律に役職を奪われたので労働意欲を保つことは難しく、働かないおじさんになってもやむをえないともいえる。
多くの日本企業は人材不足を嘆いているが、能力の有無に関係なく一律の役職定年を実施していては人材の無駄遣いとしかいいようがない。
残念ながら多くの日本企業は人事評価で個々の能力や適性を正確にとらえるシステムができていないので、このような年齢というような目に見えるもので一律に判断するようなことしかできていない。
きっちりと個々の能力を判断できるシステムができていれば管理職ではなくても個々の能力を発揮でき本人のやる気も維持し会社に貢献できる部署や仕事を見つけることはできるはずだが、多くの企業でそうはなっていない。
日本企業は個々の能力を判断し適正な仕事に就ける人事能力については海外企業に大きく劣っており、結果的に世界で後れを取る結果となっている。
一律に年齢で処遇を決めるような役職定年などを適用している限り、日本企業は二流以下にとどまらざるをえない。
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