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2024年04月10日

賃上は結構なことだが、雇用形態を変えないと日本企業の未来はくらい

日本の大手企業で初任給の大幅引き上げや大幅な賃上げが発表されている。マスコミ等では中小企業等では同様な賃上げは難しいという指摘はあるが、概ねこれらの大企業による賃上げは日本経済の良い兆候として評価されているように見える。

しかし、こうした賃上げラッシュが日本の将来にとって本当によい流れを巻き起こすかどうかは疑問である。

岸田首相が企業経営者に対し、インフレ率を超える賃上げの実現を要請した結果であるが、インフレとはモノの値段が上がることであり、それは企業にとっても様々な原材料コストの上昇を通じて経営に悪影響を与える。にもかかわらず、さらに賃上げというコスト増を受け入れれば、その分も確実に企業収益を圧迫する。

今回のラッシュによって、労働者のモチベーションが上がり、企業の生産性も高まり、日本経済の成長に資するものなら、今回の賃上げは日本経済にとって大いにプラスと評価できる。しかし、日本の雇用は今も終身雇用が大原則である。一旦賃上げすればその影響は従業員が65歳で定年退職するまで及ぶ。その点同じ賃上げを実施するにしても経営に対する影響は欧米企業とは異なる。

欧米企業は必要な時に労働力をかき集め、不要になれば放出する。パンデミック時、アマゾンドットコムは時給を20ドル以上に引き上げてまで労働者をかき集めたが、現在は大規模な人員削減を行っている。

日本の正社員の雇用についても、もっと流動性を高め転職しやすくすると同時に、解雇に対する制約を緩和し終身雇用を廃止していかないと、欧米と同じような賃金水準にして企業競争力を維持することは困難である。





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posted by ドクター国松 at 10:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本企業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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