2024年から始まった新NISA。個人の関心も高まっているが、一方で専門家の間には使わない方がいいとデメリットを強調する者もいる。
新NISAは国がつくった非課税で投資ができる口座で、通常の投資だと、儲かった額に対して20%ほどの税金がかかるが、NISA口座にある投資商品は非課税となる。しかも従来のNISAのような保有期限はなく、積立てNISAの枠も大幅に拡大されている。
従来の旧NISAでは期限があった為、評価損がでたまま5年の期限がきたら、一般口座に損がでた価格で移し替えるばならず、その価格が取得価格が原価となる為価格が元の買値に戻っただけでも税金を払わなければならないという欠点があった。また積立てNISAは金が気が少なすぎたがそれも改善されている。
これだけみれば改善されたといえる。では批判的な専門家はどこがダメだと言っているのだろうか。
一つはナンピンができないということである。1年に240万円しか枠がないから、損が出てナンピンしようとしても買えず、株式投資の自由度が低いというのである。
しかし、これはあまりあてはまらない。常時株式投資をしてる者はナンビンは一般枠ですればいいし、株初心者は一度で同じ株に枠全部をつかわず、ナンピン分の枠と資金を残して投資すればいい。儲かった時に20%もの税金を節約できるメリットの方が大きい。
二つ目は損益通算できないことである。NISA口座以外の口座をもっており、そこで利益がでてNISA口座で損がでていてもそれらを損益通算することはできない、またNISA口座の損失は翌年に繰り越すこともできない。しかし、これについてもNISA口座とそれ以外の口座をもって株式投資をしている者はそれなりに株式取引の経験のある者であり、どの株をNISAで買い、どの株をそれ以外の口座で買うかは自己判断で選択すべきであり、NISAの欠点だから利用すべきでないという理由にはならない。NISA口座で損がでたとしても自己責任の範囲である。NISA口座しか持たない初心者については損失繰越ができないことは確かにデメリットだが、利益がでた時の非課税メリットと釣り合う程度のものであり、経験をつめばやがて利益を得ることの方が多くなる。
三つ目は政府の推奨するような長期投資でも必ずもうかるとは限らないという批判である。そもそも株式投資や投資信託への投資は元本保証されたものではない。しかし、低金利の元本保証商品では財産が増えないから株式投資を始めるわけであり、ある程度リスクがあるのはやむをえない。
インデックス型の投資信託を積立て型で長期に買えば比較的リスクは少ない。オルカンなどは円高リスクという大きいリスクがあり、225インデックスには今が高い水準であるというリスクがあるが、1990年代のバブル期に積立てを始めていても今までもっていれば大きな黒字になることから、若い人が長期に積み立てれば損をする可能性は低いといっても概ね間違いないだろう。
けっきょくのところ株式投資をするならば、新NISAの枠を利用しない理由はない。しかし100%勝利する保証はないので損をするのが絶対に嫌な人は株式投資をすべきではない。
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