岸田政権は物価上昇に対応して減税するとぶち上げている。しかし、ここで注目すべきは1年間限定の定額減税に拘っていることである。
物価上昇対策というのなら、ガソリンや酒等にかけられている二重課税を是正するのが最初にすべきことであり、次に税率を下げることである。また、物価上昇は1年限りのことではないことは確実であり、減税を最初から1年限定にするのは合理的ではない。
しかし、岸田政権は頑なに1年限定の定額減税という主張に拘っている。その理由は簡単である。防衛費の増額や少子化対策の増額ですぐに増税する意図があるからである。
税率や税制というような根本的なものを変えると次の増税の妨げとなるからである。しかし、今回の減税等を通じて明らかになったのは増税に対する国民の反発の強さである。
そこででてきたのが控除の縮小である。早速高校生まで児童手当を延長したこととからめて、高校生の扶養控除の圧縮を図ってきた。本来少子化対策で高校生まで児童手当を延長するなら、前回廃止された中学生までの扶養控除を復活するのが正しい政策である。しかし政府は逆に高校生の扶養控除圧縮を決めた。
これは将来の配偶者控除の減額への布石である。国民が消費税にせよ所得税にせよ税率を上げることには大きな拒否反応を示すことはあらかである。今回の高校生への扶養控除減額はその試金石である。
そこで抵抗が少なければ、所得の壁を理由に配偶者控除を減額し実質的な増税を狙う方向を模索している。
財務相のエリート官僚から見れば国民などはバカばかりなので、所得の壁をなくすためという名目で配偶者控除の減額をすれば抵抗少なく実質的な増税ができると考えている。
配偶者控除の減額に成功すれば今度は基礎控除や給与所得控除の減額である。配偶者控除と基礎控除は関連性が強いので配偶者控除の減額が基礎控除減額の根拠になる可能性は否定できない。給与所得控除の減額については既にその方向で動き始めている。
給与所得控除を減らし基礎控除に振り替えたのはその前処理ともいえる。
いずれにせよ、控除を減らし増税を図るのは政府財務省の既定路線であり、国民はごまかされないように注視すべきである。
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