円安も150円に近づき、輸入物価の上昇の原因として円安是正の声が大きくなっている。金融緩和を修正してでも円安を是正すべきというのである。
確かに150円を超えて大幅に円安になれば日銀も政策を変えざるをえなくなる。しかし、150円以内に収まるのであれば物価上昇があっても今の路線を継続すべきである。
一つは今でも円安は多くの企業にとってはプラスになっていることである。アメリカ株の下落にもかかわらず日本株が強いことがそれを裏付けている。
そして円安の最も大きな効果は日本企業の国内回帰である。かって日本の企業は円高と賃金の高さを嫌い海外に工場や拠点を移した。しかし、現在では中国の反日姿勢が明確になった為、最大の進出先であった中国からの撤退を考えざるをえない状況にある。また、既に日本の賃金水準はアジア各国と比較しても高いとは言えず、円安効果で日本からの輸出採算が改善しており、日本に工場や拠点を回帰することのメリットが増している。
既に一部の企業は国内回帰を開始しているが、このまま140円台の円安が長期化する見込みがあれば、国内回帰する企業は増加し空洞化の解消がすすみ日本の経済にとっては大いにプラスになる。
物価上昇のデメリットはあるが、企業の多くが国内回帰を決定するまではこのまま円安を継続させることが望ましい。
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