政府税調がサラリーマン増税を議論し、政府税調の答申では通勤手当への課税や退職金への増税など、今後さまざまな増税を予定していると読み取れる。
政府税調と財務省の本音は会社員は税制上優遇されているという点にあり、彼らの最終的な目標は給与所得控除の引き下げである。
収入の約3割が控除される給与所得控除は優遇されているというのが財務省や政府税調の見解である。そもそも給与所得控除とは会社員として働く場合、スーツ代や通信費用、勉強するための費用などが必要であり、それを控除するためのものであり、収入の3割は多すぎるというのが財務省と政府税調の主張である。
また例によっと外国と比較し、日本の上限195万円に対しフランス約164.5万円、アメリカ約147.6万円、ドイツは定額約13万円、イギリスはゼロとなっており、これを根拠に政府税調は日本の会社員は税金が優遇されていると主張している。
しかし、海外では会社員も確定申告が必要であり、最初から天引きされる日本と金額による単純比較はできない。
また、個人事業者やオーナー企業の経営者等の所得把握は十分ではなく、彼らは衣服や外食費用、さらには
家や別荘等についても必要経費として控除することが常態化しており、彼らと比較して会社員は不利であっても優遇されているとは言えない。これは同じ収入の会社員と個人事業者やオーナー経営者の生活ぶりを比較すればすぐにわかることである。
さらに問題なのは、平均所得のサラリーマンが増税や社会保障負担の増加による可処分所得の減少で中流生活を維持できなくなっているということである。
給与所得控除が減れば所得税や住民税が増えるだけでなく、社会保障負担が大幅に増加し可処分所得の減少は消費税増税の比ではない。また、給与所得控除の減少は直ちに年金所得控除の減額に繋がり、それでなくても生活保護ぎりぎりの生活をしている高齢者の貧困化を促進する。
このような愚挙を行えば、30年に及ぶ日本の経済停滞がさらに30年間続き、日本はアジアでも最貧国に落ちてしまうだろう。
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