2010年9月24日に私は「やはり未来は中国には託せない」という文書を書いた。当時、漁船の衝突問題が発生し、この事件をきっかけに中国政府が行った、協力事業に従事していた日本人の逮捕、レアアースの対日禁輸等を見て中国との友好関係を前提にした日本の未来像は大きく修正せざるをえないと判断した。
しかし、当時はまだ中国の経済発展で日本が大きな恩恵を受けるので日中関係の悪化はマズイと考える国民が多く、政府も同様な考えで多くの譲歩を行っていた。
2023年の現在も中国による内政干渉や水産物の輸入禁止等の経済的圧力、理由なき邦人の逮捕、日本領土への船舶の侵入等非友好的な行動は増え続けているが、2010年当時と比較しそれほど極端な反日行動が増えているわけではない。
当時と現在の違いはアメリカの中国に対する姿勢である。当時は米中関係は友好的であったが、2018年の経済対立以降米中関係は急速に悪化し、現在では互いに相いれない対立状態にある。
日本は当然その影響を受け、中国との関係も悪化せざるをえない。米中関係が悪化し日本が米国に追随することになれば、政治的には勿論経済的にも日本が中国に依存することは危険である。
米中の対立は世界の覇権をめぐる争いであり、ホットな戦争に発展しなくても決着がつくまでは終わらない。現在の中国経済の低迷、EU各国のスタンスの変化等をみれば対立は米国の勝利で終わりそうである。
とすれば猶更、日本は中国に依存する割合を減らすべきである。13年前と同じく現在も「日本の未来は中国には託せない」という事実は変わらない。
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>米中の対立は世界の覇権をめぐる争いであり、ホットな戦争に発展しなくても決着がつくまでは終わらない。
資本主義経済が確立して以降の覇権とは通貨覇権を指しますが、中国は人民元を国際基軸通貨にするつもりはありません。
何故なら、イギリスとアメリカの二の舞になりたくないからです。
その証拠に、かつて中国人民銀行の周小川総裁はドル体制に代る新基軸通貨構想を発表しています。
中国は日本国と共にドル体制を支えてきた国ですが、不安定なドル体制に代る新たな国際通貨秩序を提唱したのです。
その中国のGDPと軍事力がアメリカに迫ってきた。つまり、近い将来中国は通貨覇権国になり得る国になったことで現行の国際通貨秩序体制を維持したい勢力が焦りだし、中国への対抗姿勢を強めているのでしょう。
【注目される中国発「SDR準備通貨構想」】
https://www.rieti.go.jp/users/china-tr/jp/090430world.html
【二つの資本主義経済圏】
https://ewkefc.blog.fc2.com/blog-entry-1028.html
【日本と中国はドルを支える両輪】
https://ewkefc.blog.fc2.com/blog-entry-503.html