賃上げが30年ぶりの高水準となり、消費の押し上げ効果への期待が高まっているが、そうはならなさそうである。
国内の消費支出は65歳以上世帯が4割を占め、年金暮らしの世帯がGDPの15%に影響する。物価高で賃上げが進んでも年金世帯は恩恵を受けにくい。
一方、消費支出に占める高齢者の存在感は高まっている。世帯主が65歳以上の世帯の支出が全体に占める割合は約39%で少子高齢化に伴い、20年前の約23%からほぼ倍になった。
日本の22年の名目GDPの実額は556兆円で、5割を個人消費が占める。GDP全体の15%程度を年金世帯の消費が担っていることになる。
消費者物価指数は生鮮食品を除く総合の上昇率が6月まで10カ月連続で3%を超えた。しかし、年金は物価の伸び以上に増えない仕組みになっており、2.5%の物価上昇率を加味すると実質的にマイナス圏に沈む。これでは高齢者の消費は減ることがあっても増えることはない。
一方、高齢世帯には金融資産が多い。65歳以上の無職世帯の夫婦の金融資産は1915万円で、全世帯平均より636万円も多い。これを消費に回す気になればGDPは成長できる。しかし問題は将来の不安からお金を使おうとする意欲がそがれていることだ。
生きている間に必要になる生活費や医療費が見通しにくいと手元の資産を使って積極的に消費しようという気持ちにならない。
マクロ経済スライドを止め、物価が上昇しても年金が目減りしないことで高齢者の将来不安をなくすことが、高齢者の消費を増やしGDPの成長を助ける最も効果的な方法である。
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>マクロ経済スライドを止め、物価が上昇しても年金が目減りしないことで高齢者の将来不安をなくすことが、高齢者の消費を増やしGDPの成長を助ける最も効果的な方法である。
お金はあるけど、お金の流通速度は下がり続けるばかり。
行き場のないお金は退蔵され、金融経済へと流れて行くばかり。
原因は需要の飽和だ。
飽和を解消しない限り、いくら賃金を上げても実体経済に需要は創出されない。
もはや戦争による実体経済のリセットは難しく、移民を大量に受け入れて有効需要を拡大し続けるしか手はないが、移民の受け入れは人口減少の穴埋めにしかならず、有効需要の拡大にはつながらない。