日本にとって切迫した脅威の対象となるのは中国と北朝鮮である。ロシアは今のところウクライナで手一杯であり当分日本の脅威にはなりそうもない。
今回の防衛費の増強の是非を考える場合、具体的に防衛費増強が中国や北朝鮮の脅威に対抗するのに効果的か否かを検討する必要がある。
対北朝鮮ではどうだろうか、北朝鮮と日本の間では日本側から余程挑発しない限りいきなり日本を攻撃する局面は考えにくい。韓国と北朝鮮の争いに日本が巻き込まれる、アメリカと北朝鮮の争いに日本が巻き込まれるというのが現実的なシナリオである。
この場合、現在考えられている防衛費増強で日本が戦争に巻き込まれるリスクが減る可能性は低い。
対中国ではどうだろうか。アメリカが中国を覇権国家と認定し、尖閣を日本領土として日米安保条約の対象とした現在、アメリカとの戦争を覚悟することなく中国が尖閣を攻撃する可能性は低い。
アメリカと対立することもいとわず台湾併合を図るというのが最もありそうなシナリオである。こうなれば中国は間違いなく日本にあるアメリカ軍基地を攻撃する。この時点で日本が敵基地攻撃能力を持っているか否かは攻撃を躊躇する要因とはならない。
結局のところ、対北朝鮮、対中國のどちらにおいても日本の防衛力強化は戦争抑止には繋がらない。
増税し、日本経済の停滞を招く危険性をおかしてまで敵基地攻撃能力を含む防衛予算の倍増を図るメリットは何もない。
そもそも、多数のミサイルを有する核保有国に対し、日本が核も持たず小規模な敵基地攻撃能力わ持ったところで何の意味もない。
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