デフレの時代は経済成長という観点からは大きなマイナス要因であったが、国民の生活という点からは物価が安く生活しやすく、一部の金持や貧困者を除き生活面での格差はそれほど拡大しなかった。
しかし、今年になってからの物価上昇はこの状態を変えつつある。普通に生活していた層の格差が大幅に拡大されつつある。
賃上げが可能な企業に勤める正社員については物価上昇には及ばないにしてもそれなりに収入が増加している。一方で中小企業の従業員や非正規社員については賃上げがあったとしても物価の上昇に全く追いついていない。
深刻なのは年金生活の高齢者である。マクロ経済スライドの結果、年金収入は物価上昇に全く追いつかない。それでなくても厚生年金受給者で200万円前後しかない収入では、ガス電気等の公共料金の上昇と食料品等の物価上昇に対しては大幅な節約をしても貯蓄の取り崩し無には生活が難しく、インフレが長期化すればかなりの割合で生活破綻する者が増加しそうである。
日本が治安がいいとされてきたのは、それなりに生活できていたからであり、インフレにより日々の食費にも事欠く者が増加すれば日本の治安も大きく乱れることになるだろう。
このインフレが長期化すれば日本の人口の2割程度が貧困化することで日本社会が大きく変貌することは避けられない。
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