ロシアのウクライナ侵略をきっかけに台湾有事のリスクが協調され、防衛費の増加が決定したかのように語られている。防衛費を増加し、敵基地攻撃能力を持つことで抑止力を高めるという発想である。
しかし、日本が敵基地攻撃能力を持ったとしてもそれを有効に活用できるとは思えない。
ウクライナの首都キーウに対しロシアはミサイル攻撃を続けている。しかし、ウクライナはロシア本土を攻撃する能力がありながら攻撃はしていない。もしウクライナがロシア本土を攻撃すればロシアに核兵器で反撃する口実を与えることになるからである。
日本が安全保障面で仮想敵国と考えている国は中国、ロシア、北朝鮮である。この三つの国はいずれも核とミサイルを保有し日本に対し核攻撃をする能力を有している。
仮にこれらの国と紛争になった場合、日本は攻撃された場合にそれを撃退する為の反撃はしたとしても、敵本土を攻撃することは難しい。
敵基地を攻撃し相手が核兵器で報復してきた場合、日本には何ら打つ手がないからである。
日本が敵基地攻撃能力を持っていたとしても、それで相手に与えるダメージは軽微なものにすぎず、核兵器で反撃された場合の甚大な被害とは比べものにならない。
核保有国に対し抑止力になるのは核攻撃能力を持つことだけであり、通常兵器での敵基地攻撃能力を持っても抑止力を高めることにはならない。
日本が核兵器を持つ決心をできないのなら、敵基地攻撃能力は税金の無駄遣い以外の何物でもない。
税金はもっと有効利用すべきである。
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