円安で大変だと企業経営者が騒いでいる。一昔前は円高で大変だと騒いでいた同じ口でである。
かって日本の賃金が高すぎるからと不信の原因を賃金のせいにしていたが、今では日本の賃金は先進国の中で最低レベルまで落ちた。しかし日本企業の世界的地位は一向に向上しない。
外部環境の変化に対応して新しい事業を発展させられないのは、単に日本企業、特に日本を代表する大企業の経営者が無能だからに他ならない。
円高時に日本企業の経営者がおこなったのは、投資の削減、海外進出、賃金削減であった。政府もまた非正規労働の自由化でこれを支援した。
ここで根本的に欠けていたのが、規制撤廃による事業の自由化と積極的な新規事業の開発である。
結果的に世界の変化に日本企業は遅れをとった。今回円安で苦しんでいるのもその結果に他ならない。大企業が経営環境の悪化を下請けや出入り業者の犠牲や従業員の賃金コスト引き下げで乗り越えようとしている限り、日本企業も日本経済も世界から取り残されるだけである。
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