1980年代向かうところ敵なしであった日本企業。多くの企業が世界上位百社の中に名を残していたが、今ではわずかにトヨタが残るだけである。
かってはパナソニックやソニー、シャープといった企業が世界を蹂躙していたが、かろうじてソニーだけがゲームや金融等当時と異なる分野で存在感を示しているだけである。パニソニックは30年以上も成長せず、シャープは外資の傘下に入ってしまった。
シャープの社長は不況期の危機に際し、「断腸の思いだが今やらないと次の成長はない。上期に膿を出しながら下期から再生する不退転の決意で臨むと人員削減について語っていた。
人員削減を強行すれば再生も再成長も実現できる、と受け取れる発言であったが、結果はご存じのとおりである。
人員削減を強行すれば再生も再成長も実現できる、と受け取れる発言であったが、結果はご存じのとおりである。
人を減らすだけで企業が再生も再成長もできるなら、多くの日本企業が再成長し世界に飛躍しているはずだが実際は、そうなっていない。むしろ、せっかくの日本企業の技術が従業員と共にライバルである韓国や中国の企業に流出し、日本企業の競争力は大幅に低下し海外企業の後塵を拝するに至っている。
バブル期以前、絶好調であった日本企業は、その強みとして従業員の質の高さと企業への忠誠心が評価されていた。その一方で、経営者の能力を評価する声は少なかった。
しかし、不況に対し日本企業はリストラに舵を切り、マネージメントは旧態然としたままで、その強みであった従業員の質の高さと企業への忠誠心を損なってしまった。
これでは日本企業が衰退したのは当然のことである。
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