4月になり新入社員が新しい職場に入ってくる。経営者の中には、出る杭は伸ばすと公言し、失敗してもいいからどんどん積極的に行動してほしい、と新入社員に訓示をしている者がいる。
しかし、それを信じて行動するとひどい目にあうケースが多い。経営者は本気でそう思っているのだろうが、その為のシステムを社内に構築できていることはほとんどない。そもそも大企業においては、社員の働きが直截社長の目に留まり、社長が直接評価することはありえない。実際に社員を評価するのは上司であったり先輩である。彼等は大抵の場合自分の部下や後輩がスタンドプレーをするのを好まない。
成果を上げている時は黙認されても、少しでも失敗すれば必ず足を引っ張られることになり、社長の目に留まる地位に達するまでにいろいろ理由をつけて潰されてしまう。
経営者が本当に出る杭のような社員を評価し活用したいと考えているなら、出る杭のような社員が確実に評価されるような評価システムを構築しなければならない。しかし、大抵の企業の人事システムはそうなっていない為、出る杭を優遇するという社長の意欲は、何故我が社には出る杭のようなとびぬけた社員がいないのか、という愚痴に終わるだけである。
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