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2022年03月29日

日本は真面目に働くだけでは生活できない社会に変質した。

バブル以前の日本は、学校を卒業したら大部分は正社員として雇用され、最初に入社した企業で真面目に働いていれば、日本経済の発展と年功序列に守られ、定年まで生活の心配をすることはなかった。また、定年後は退職金と年金で十分に生活することができた。

定期預金の金利が5%前後と高かったため、2000万円定期預金があれば、何もしなくても100万円の利息が入り、いまよりはるかに高水準の年金と併せれば、定年退職後無職でも十分に生活できた

しかし、バブル崩壊後長く続いた自民党の失政の結果日本社会は大きく変質してしまった。

学校を無事卒業しても、気の利いた者でないと就職戦争を勝ち抜けず、安定した企業の正社員の椅子を得るのはごくめぐまれた一部の者だけとなった。

正社員になることに失敗し非正規労働者としての道を選択せざるをえなかった者にとっては老後はとても厳
しいことになる。非正規では多額の貯金を準備することは難しいし、退職金はない。さらに年金も生活を支えるほどの額ではない。さらに年をとると非正規の職も得るのが難しい。

しかし、正社員の地位を確保できても、もはや安泰とはいえない。無事に定年まで勤めても、退職金の額は減少傾向にあり、現在の低金利下では退職金の利息は微々たるものでありとても生活の足しにはならない。また、年金も年々減額され支給時期も先送りされており、生涯安心というには程遠い。一生死ぬまで働いて収入を得ないと生活することは難しくなっている。

多くの国民にとって老後は生活保護に頼るしか道はなくなるが、生活保護については国家はこれ以上の拡大を望んでおらず、制限はますます厳しいものになる。

今の日本では個人がそれぞれ自分の才能を金儲けに活かすことが人生を無事に全うするための最低限の条件になりつつある。アメリカ型の厳しい社会での老後を覚悟しなければならない。


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posted by ドクター国松 at 09:35 | Comment(0) | 貧困の拡大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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