堺市立中学校に通っていた生徒が不登校になり、その後自殺した事案で市教委は17日、第三者委員会による調査報告書をまとめた。
しかし、報告書について、市教委は被害生徒が特定されること、加害者のプライバシーも考え、一切公表しないとし、ほとんどの事実関係などを黒塗りで公表した。
さらに、警察の死体検案書に「自殺」と書かれていたため「自殺の可能性が高い」としたが、断定はできないとし、自らの責任回避を図っている。また、調査委は複数のいじめを認定しながら、いじめと生徒の死亡との因果関係については、いじめがあってから自殺までに1年以上たっていたことなどから「客観資料からは認定できない」と認めなかった。
ここにあるのは、いじめによる自殺という事実を可能な限りあいまいにし、自らの責任を回避しようとする市教委の責任逃れ意向に沿った調査結果である。
いじめがあっても調査しようとすらしなかった学校側の対応と併せて、堺市の教育現場に無責任な責任逃れ体質が蔓延していることは明白である。
加害者のプライバシーなど被害者の無念と比べれば何の価値もない。
教育現場も含め、官僚組織は近年何かと言えばプライバシーを口実に情報開示をしたがらないが、少なくとも被害者に対し加害者のプライバシーを口実に資料を隠すのはやめるべきである。
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