今回のロシアのウクライナ侵略で、日本では「早く降伏すれば被害が少なくですむのに、何故勝ち目のない戦いをして命を落とすのか」という意見が聞かれる。
何よりも命が一番大切という考え方にたてばそのような意見がでてきても不思議ではない。しかし、自由を求め命を落とすか、奴隷としてでも生きることを選ぶか、それを決定するのはウクライナ人であり、日本人がとやかく言う資格はない。
そもそも、人間にとって命がなによりも大切というのは絶対に正しいというものではない。人間は必ず例外なく死ぬのだから、命が何よりも大切ということであれば、人間はその一番大切なものを失う為に生まれてくることになり、その人生は死という絶望への旅路となる。
うまれた人間は必ず死ぬのだから、その人生の価値あるものはその間にこそあるべきである。
何が自分にとって命をかけるほど価値のあるものか、それを決める資格のあるのは自分だけであり、国家であれ親であれ、他人によって決められるべきではない。
また、絶望して命を断とうとするのはよく熟慮し人生を十分味わってからにすべきである。少なくとも50を超えない者が人生に絶望するのは早すぎる。
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