ウクライナ国境に10万の軍を動員していたプーチン大統領は国民に向けてテレビ演説し、同地域で衝突が激しさを増しロシア系重婚が危機にさらされているとし、ウクライナ東部で親ロシア派が支配して自ら名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を認める大統領令に署名した。
クリミア半島に続きウクライナ東部も手中に収めようとする戦略である。現時点でま欧米各国の対ロシア戦略を見る限り、NATOやアメリカが武力を行使してでもロシアの侵略を阻止するという動きはないので、ウクライナ東部が実質的にロシアの手にわたることになるだろう。
これはナチスによるチェコ侵略を思い出させる。
ヒトラーは、チェコ国内のドイツとの国境沿いの地域に多数のドイツ系住民がいることを対チェコスロバキア戦略の重要な駒とし、ズデーテン・ドイツ人にドイツ本国から大々的な支援を送り、自治運動を展開させた。さらに宣伝機関によって「圧迫されているズデーテンのドイツ人」という宣伝を国内に流し、ドイツ世論をも勢いづけ、ドイツとチェコの障害になっているのはドイツ人の民族自決権を認めようとしないチェコ側の態度である」とした恫喝的演説を繰り返した。
ドイツとの戦争を恐れたイギリスはチェンバレンを派遣し調停に動き、ヒトラーと会談した上でチェコスロバキア政府にズデーテンの割譲を強要した。
これから欧米各国がどのようにこの問題に対応するかわからないが、戦争を恐れるあまり弱腰に終始したことが街の大戦争に繋がった教訓を思い出すべきである。
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