11月全国消費者物価指数は前年比プラス0.5%だったが、約1.5%ポイントに相当する携帯電話料金の値下げがなければ、日銀の目標2%上昇を達成していたことになる。
2013年3月からスタートした黒田東彦総裁の下での日銀が、強く求めてきた2%の達成の可能性が初めて現実味を帯びてきたと言える。
しかし、これは目標が達成できると喜ぶべきことなのだろうか。元々物価上昇2%とは経済が回復し企業業績が改善して賃上げが実施され、国民の購買力が向上することで実現するはずのものであった。
ところが、今回の物価上昇は原油をはじめとする輸入物価の上昇によりもたらされたものである。コロナ禍の影響もあり、一部の大企業を除き企業業績は回復しておらず、賃金についても政府の旗振りにもかかわらず十分に上昇したとは言えない。
それどころか中小企業では賃下げが実施されているところもあり、公務員のボーナスも減額されている。3000万人を占める高齢者には何の恩恵もない。
この状態で物価だけが上がることが果たして経済や国民生活にとってプラスになることだろうか。目標値は物価上昇率2%てあったとしても、その目指していた中身は現在の状況とは全く異なるものである。
このまま物価上昇率が2%を超え、それをもって黒田日銀総裁が胸を張るようであれば庶民は笑うしかない。
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