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2021年10月28日

日本人の老後生活を破壊する年金のマクロ経済スライド

低賃金が長期間継続された結果。40代以下の層の貯蓄額は低迷しており、老後は年金に頼らざるをえないが、年金に対する国民の信頼性は低下するばかりである。

財務省と厚労省は年金の安心の為にという口実でマクロ経済スライドを導入した。これは物価や賃金水準と関係なく年金財源の減少に応じ年金額を減らすものである。

彼ら官僚の頭にあるのは財源の話だけであり、高齢者の生活は全く念頭にない。年金制度は元々定年により職を失った高齢者が老後生活を送る為のものである。年金制度が維持できたとしても年金で老後の生活ができなければ年金制度は破綻したと言える。

65歳以上の高齢者は現在年間200万円程度の年金を受け取っており、ぎりぎり生活はできている。まだ多くの高齢者は退職金等で2000万円程度の預金を保持している為、突発的な災害があっても生活が破綻するには至らない。しかし、マクロ経済スライドで年々年金額が減額されているので10年先には生活が相当苦しくなると思われる。

悲惨なのは40代である。彼らが年金を受け取る頃にはマクロ経済スライドで年金では生活を賄えなくなっている。さらに退職金を支給する会社は減少しており、その額も少なくなっていることから、彼らが高齢者になる頃には年金生活は成り立たなくなっている。

これがわかっているから、40代以下の層は政府と年金制度に強い不信感を持っている。これでは消費活性化による経済成長は期待できない。

財政が無いからといって改悪を続けても、年金生活者が生活保護に代わるだけであり、財政は改善するどころか悪化するだけである。少なくともマクロ経済スライドを廃止するだけで今の若者も高齢者と同等の年金を受け取ることができる。

少子化改善による人口構成の改善ができないなら、移民政策をとるべきであり、労働人口が不足するなら定年制度を廃止し、健康な高齢者に能力にあった仕事を提供できる体制を整備すべきである。

何もせず、大福帳式の財政健全化だけを考えていると国家は滅びてしまう。



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posted by ドクター国松 at 10:00 | Comment(0) | 財政健全化という病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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