介護保険料の上昇が止まらない。65歳以上の高齢者が支払う介護保険料の全国平均が今春、初めて月6000円を超えた。介護保険制度が始まった2000年度は、約2900円だった。この間、2.1倍に膨らんでいる。団塊の世代が全員75歳以上になる25年度には、6856円になると見込まれる。
実際に介護保険が健康な高齢者の生活をどれだけ圧迫しているか大阪の例で見てみよう。
厚生年金受給者の男性の平均額は年間199万円、これで計算すると大阪市の介護保険料は104637円にもなる。
生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」によると、老後必要と考えられる最低日常生活費は、月額平均22.1万円なので、年金を満額受け取っても不足しているが、ここから介護保険料を差し引かれることで、年金だけでは生活できず貯蓄の取り崩しに頼らざるをえない。
70代の高齢者世帯の平均貯蓄額は1314万円であり、中央値は460万円である。(貯蓄非保有者を含む)
さらに貯蓄ゼロ世帯が2割もある。これでは現時点においても老後生活は安泰とはいえない。
更なる年金減額や介護保険料や健康保険料の増額があれば、高齢者の3割の生活は維持できなくなるだろう。
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