4月から様々な値上げのニュースが流れている。身近な商品の値上げは国民の生活を圧迫する。
日本政府は20年以上も低金利政策を継続し、国民の利子所得を減少させ、その分企業が低金利で資金を調達できるようにした。つまり、低金利政策は国民から企業への所得移転に他ならない。
また、円安誘導により輸出型大企業は大きな利益を得たがその分国民は物価上昇という形でその負担を負うことになる。
また、消費税増税も同様である。過去の消費税増税分の少なからぬ部分が法人税減税財源になっている。
ここでも、国民を犠牲にし、その財源で企業を支援するという方向性が貫かれている。
そこには、企業を助ければ結果的に日本経済が良くなり国民にとってもプラスになる、という幻想がある。
しかし、現実はそうなっていない。安倍政権の必死の働きかけにより一部の大企業はベースアップに踏み切ったが、それもコロナ禍等を口実に打ち切られようとしている。国民が支払った多額の犠牲はほとんど報われていない。
今や、日本経済は政府が企業を支援すれば経済が浮上する段階でないことを理解すべきである。国民の富を奪い企業に移転するやり方ではなく、国民の購買力自体を増加させる政策でないと日本経済は良くならない。
しかし、日本政府は未だにこの発想から転換できていない。国内企業を支援しても企業はそれによって余裕のでた資金を国内ではなく海外に投資しており、日本経済の発展には役に立たない。
企業が国内より海外を重視するのは国内市場に魅力を感じないからである。度重なる政府の国民いじめにより国民は消費余力はあっても意欲を失っており国内需要は低迷し、そのことが日本市場の魅力をなくし、企業の日本国内への投資意欲を妨げている。
政府が本来すべきことは、企業への支援ではなく、国民へ消費意欲を喚起することである。しかし、世間知らずで頭デッカチのエリート官僚に支配される日本政府は、財政やマクロの経済視点だけに目を奪われ、肝心の国民の将来不安に目が届かない。
国民から搾取し財政再建や企業支援に振り向ける間違った政策を続けていると、やがて日本市場は誰からも見向きもされなくなるだろう。
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