日本社会にはここ10年で大きな断層が発生し、国民は断絶されておりこのまま断絶が拡大再生産し続ければ日本社会は現在の姿を維持できなくなる。
東北大震災の直接の被害者とそうでない者との間の断絶、同じ地震を経験しても家族を失い財産や職場を失った者と大きな被害を受けなかった者とでは、その後の生活が全く異なる。大きな被害を受け財産と職場を失った者は10年たってもかっての生活を取り戻せていない。
これは東北大震災だけでなく、それ以外の地震や大雨等の災害にあった者も同様である。今の日本の災害被害者対策は最低限の生活を維持できる政策に限定されており、災害被害者が災害前の状態に戻れるような内容ではない。これでは災害が発生するたびに落ちこぼれる国民が増加する。
コロナ禍においても同様である。共にコロナという脅威に直面しながらも、正社員として職を維持できる者と倒産や解雇で職を失う者との間に大きな断層が発生している。
職を維持できた者は多少不便があっても以前と同様の生活水準を維持できるが、倒産や解雇で収入を失った者は住家を失い明日の食費にも困ることになりかねない。
災害対策を単に生かすことだけに限定するのではなく、元の生活に戻れるように変えない限り、日本では断層が広がりつづけ国民は分断され、現在の秩序を維持できなくなるだろう。
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