中国が安全保障を名目に、戦略物資やハイテクの輸出規制を強化する輸出管理法が1日に施行される。新法は、戦略物資やハイテク技術などを管理強化の対象として指定し、その輸出に許可制を導入する。
同法の下では、規制を強化する品目や技術に対し、輸出業者が最終顧客や用途などを事前に提出。当局が「国家の安全と利益」「輸出の目的国・地域」などの観点から輸出の許可を判断する。無断で使い道を変更したり、「中国の安全と利益に危害を及ぼす恐れがある」と判断したりした場合、最終企業や輸入企業をリスト化し、輸出を禁止・制限できるようにする。
この法律は主に米国の対中制裁への対抗措置として考えられたものだが、中国が対抗措置として米企業を禁輸リストに載せれば、ファーウェイ制裁に同調した日本企業も米国寄りとみなされ、制裁対象に含まれる事態も否定できない。
結局のところこの法律があれば、日中対立が激化した時には中国政府は何時でも日本企業が中国工場で生産した製品や部品の輸出を禁じることができるようになる。
日本企業は中国に多額の投資を行い、2019年の売上高は2500億ドルに達している。このうち25%に相当する622億ドルは、中国から輸出して稼いだ額である。日中が対立する時にはこれらの投資が人質になることを覚悟しなければならない。
何度も言っているが歴史的に見て米中、そして日中の対立は不可避であり、関係悪化は必然である。日本企業は今の内に中国投資を縮小し他のアジア諸国に移転すべきである。
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