最高裁判所で2つの判決が確定した。非正規社員が賞与と退職金を求めるものであったが両方とも敗訴した。
これは判決前から決まっていることであった。バブル崩壊後競争力を失った日本企業を何とかする為に賃金コストを大幅に引き下げる目的で導入されたのが、非正規社員の拡大であった。
賃金コスト引下か狙いで導入した非正規社員のコストを上げるような判決が出る可能性は最初からなかった。
しかし、この政策は既に失敗であったことが明らかである。非正規化による賃金コストの低下で日本企業の競争力を高める予定であったが、賃金コストの低下に甘んじた日本企業の多くは革新を怠り世界の企業に遅れをとり競争力が低下した。
また、非正規社員の増加で日本国民の貧困化が進み、GDPの最大構成要素である個人消費が伸び悩み、結果的に日本経済の停滞を招くことになった。
労働の非正規化の促進→企業の経営革新の遅れ→日本企業の競争力低下
労働の非正規化の促進→国民の購買力減少→日本市場の魅力低下→企業の日本離れ
を招き、日本経済の停滞スパイラルをもたらした。最も有効な戦略は非正規社員の所得を正規社員に近づけることであるが、今回の判決を見る限りその方向性は期待できず、日本経済の沈滞は長期化しそうである。
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