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2020年09月11日

少子高齢化で社会保障費が増加するから消費税増税が必要という間違った常識

菅氏が昨日のテレビで将来的に消費税増税はありうるとの見解を示したのにはがっかりした。岸田氏だけではなく経済第一を唱える菅氏でもごく当たり前にそう主張するほど自民党内への財務省の洗脳は浸透しているようだ。

少子高齢化でこれからも社会保障費が急増する。これを賄う為の財源として消費税増税が必要となる。一見正しく説得力がある。しかし肝心なところで見落としがある。

菅氏は少子高齢化の克服は難しいと主張したが、ここにはこのまま少子化が進み日本の人口減を放置しても日本は維持できるのか、という最も根本的な問題への考察が欠けている。このまま人口減を放置すれば日本はますます衰退しアジアの落ちこぼれとなることは明白であり、現在の世界の中での日本の立場を維持する為には移民か出生率の増加のいずれかの方法で少子化解消が不可欠である。

社会保障費が急激に増加するのは、団塊世代が75歳以上となった時期からであり、これを消費税増税で賄うということは、歴史的な人口構成の問題を現役世代の負担増だけで解決を図ろうとするものである。これは事実上不可能である。人口増の政策を徹底する一方で20年から50年程度の期間の異なる長期国債を発行して不足分をカバーし、100年程度の時間をかけて解消すべき大きな問題である。

日本の財政悪化のもう一つの原因は経済不振である。社会保障財源の不足がこれほど深刻化したのは25年以上も日本経済が成長しなかったことにある。中国やアメリカほどの成長は無理でも、せめてヨーロッパ並みに2倍程度成長していれば、これほど財源不足は深刻化しなかった。

日本経済低迷の最大の原因は消費税増税と国民負担政策である。これにより国民が自分の将来に不安を感じ消費を抑え貯蓄に走ったことが、非正規社員の拡大による貧困層の増加と相まって個人消費を縮小させた。一方企業経営者は目先の消費停滞と将来の少子化進行に怯え、日本の将来に絶望し国内への投資を縮小させた。

確実に断言できるのは、消費税をどんなに増税しても少子高齢化に起因する社会保障費の増加は賄えず、消費税を増税すればするだけ国民の財布の紐は固く結ばれ日本経済は縮小し、税金は思うほど増加せず経済と財政の両方が悪化し日本の衰退が加速されることである。

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posted by ドクター国松 at 10:09 | Comment(0) | 消費税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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