新型コロナウイルスの日本蔓延が現実のものとなった。厚生労働省が水際対策に拘り、国内で症状のある者の検査をしなかった結果、既に相当数の潜在的患者が国内に存在し、それが患者の増加として顕在化するのは時間の問題である、と多くの専門家は考えている。
このまま患者数が増えずに終焉すればそれは奇跡と呼べるほどの幸運であるが、最悪の場合は数千人規模に患者数が増加しオリンピックは開催できなくなるだろう。
国内での患者の増加だけではなく、ダイヤモンドプリンセスでの患者拡大も厚生労働官僚の判断ミスである。もっと早い時期に上陸させ少数に分散して隔離すれば、あんなに患者数が増加し日本の評判を落とすことはなかった。
過去にも日本の官僚組織は危機に直面した場合、多くの場合間違った対応をして問題を悪化させてきた。
バブル発生でサラリーマンが家を買えなくなるほど土地価格が高騰した時、日銀はとんでもないハードランディングのバブル潰しを実施して日本経済を破壊した。
バブル崩壊後のデフレ不況下で経済再建を最優先すべき時期に、財務官僚は緊急性の無い財政再建に拘り消費税増税や国民負担増加政策を強行し、20年を超える日本経済の衰退を招いた。
東北大震災後の原子炉事故に対する日本政府の混乱とドタバタ劇は記憶に新しい。これについては菅首相の無能が原因の一つとして指摘されているが、これなども首相を支えるべき経産省の官僚が無能だったからに他ならない。
何故、日本の官僚組織は平時にはそれなりに機能するが、緊急時には無能なのか。アメリカの官僚と日本の官僚を比較した場合に大きく異なるのはその経歴である。
日本の官僚は大学と官僚しか経験していない者が大部分である。アメリカでは高級官僚には他の職種を経験している者が多い。ここには決定的な経験値の差が存在する。
学力優秀で東京大学を優秀な成績で卒業した高級官僚は頭がよく、頭で多くのことを理解しているが、経験値はどうかというと、一般の普通のサラリーマンと比較しても修羅場に直面した経験は乏しい者が多い。
危機下では頭よりも経験値がモノを言うことが多く、日本の官僚の多くはそれが不足している為、正しい判断や行動をすることができない。
早急に官僚システムの抜本的な改造ができない限り、東南海地震や東京直下型地震、あるいは再び戦争に巻き込まれれば、日本の運命は悲惨なものとなるだろう。
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