日本経済新聞社とテレビ東京による28〜30日の世論調査で安倍内閣の支持率は56%となり、5月中旬の前回調査の55%から横ばいだった。不支持率も前回と同水準で36%だった。金融庁の審議会が老後に夫婦で2000万円不足するとの報告書を出したことを受け、老後資金の不足への対応を聞くと「年金以外の自助努力で不足を賄うべきだ」が62%だった。
世代別にみると「自助努力」と答えたのは39歳以下が71%、40〜50歳代は69%、60歳以上は56%だった。
世代別に環境を見ていくと現実はそんなに甘くないことがわかる。60歳以上の56%については自助努力で対応できる可能性は高いだろう。既に貯金もそれなりにもっており、退職金が1000万円以上あることがほぼわかっている層が自助努力という回答をしたはずだからである。
貯蓄が数百万円程度しか無く、退職金が期待できない者が自助努力と回答するはずがないからである。
40から50代で69%も自助努力と回答しているのは、現実を認識していないとしか思えない。40代の金融資産保有額の中央値が550万円、50代では900万円である。多くの層が500万円から100万円前後の住宅ローンを有しており、退職金についてもますます減額傾向にある。
年金が年々減額され、税金や社会保険負担が増加することを考えれば老後に借金を完済し2000万円以上の預金を保有していることはかなり難しい。
39歳以下については自助努力で老後を生き抜くという積極的な意味ではなく、老後は自助努力以外に生き抜く道は無いというあきらめの境地が反映されているとしか思えない。ロクに貯金も無いのに自分は自助努力で老後は大丈夫だと考えていとすれば、現実が見えてないだけであり、確実に老後破綻する。
まず、39歳以下で正社員の職についていない者はほとんど老後破綻する。正社員であっても企業年金が用意され十分な退職金も期待できる一部の大企業や公務員でないかぎり、これも老後破綻する確率は高い。
FXや仮想通貨というようなもので金を稼ごうとしている者も多いが、継続的に勝って老後まで資金を残せる者は数パーセントもあればいい方だろう。
日本経済は効果的な少子化対策と高齢者の勤労対策がとれない限りじり貧になるだけであり、少なくとも今後50年は経済回復は期待できない。
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