第二次大戦後のヨーロパの理想を体現したEUが揺れている。移民問題をめぐりイギリスの混乱に加え、EU議会の選挙においても反EU派の躍進が目立っている。
欧州は人類の平等と平和といった理想を追求する時代から、自分の生活を守るための本音の時代に変化しつつある。
その原因はEU内の貧富の差が拡大し中産階級が減少しているからである。金持ちではないが、安定した仕事を持ち生活に困らず、引退後も十分生活できる資産を持ち、バカンスにはリゾートに行くことのできる欧州の中間層は人類の平等・平和・理想の追求といった価値観を支持する母体であった。
しかし、グローバル司法主義の進展で格差が拡大し、さらに移民の増加によりその地位と生活が脅かされるに至り、もはや理想主義を追求する余裕を失った。
二極分化で下層階級に転落した彼らには、移民の増加は彼らの仕事と生活を脅かす脅威であり、もはやそれを許容できるだけの余裕はない。
グローバル資本主義の進展で世界的に中間層が減少していく中で、人類から古き良き理想主義は失われ、それぞれが自分の利益を追求し、それに反するものは排除するギスギスした時代が訪れようとしている。
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