政府は6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に最低賃金の水準について早期に全国平均で1000円を目指す目標を盛り込む。
日本の最低賃金は先進国のなかでは低く、18年時点の水準を米ドルベースで比べると日本は7.7ドルで、フランスの11.7ドル、英の10.4ドル、カナダの9.6ドルを大きく下回る。
従来、日本の政策は生活者よりも生産者を重視しており、最低賃金が低く抑えられてきたのも中小企業の経営に配慮してきたからであった。
しかし、世界の経済構造も変化しており、日本経済は賃金を安く抑え安い商品を大量に輸出する方法では十分な成果を得られなくなっている。
それよりは他ではマネができないような高付加価値の製品やサービスを提供することが求められている。その為には国内に多数存在する生産性の低い企業が低賃金や政府の支援を糧に存続し続けることはかえって邪魔になる。
この際、古い生産性の低い企業を退場させ、新しい高付加価値の製品やサービスを提供できる企業に市場を明け渡す必要がある。
最低賃金を上げることは生産性の低い企業を退場されるのに有効なぱかりではなく、質の良い製品を購入できる消費者を増やすことにも有効である。
また、現在一部の個人事業者については厚生年金への加入が免除されているが、この例外を廃止し、正規であれ非正規であれ労働者を雇用する事業者については例外なく厚生年金への加入を義務づけることは、低生産性の低い企業の退場を促進できるだけでなく、年金財政の改善にも寄与できる。
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