安倍首相は、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ予定通り引き上げる方針を固めた。理由は社会保障制度を全世代型に転換する財源を確保するため、ということらしい。
この全世代型の社会保障制度がどんなものになるかは明らかになっていないが、安倍政権全体が経済成長路線よりも財務省主導の財政再建至上主義に舵を切ったことから、給付が増えたり負担が減ったりするものにはならないだろう。
年金の減額と支給開始年齢を伸ばす動きが継続することは間違いない。安倍政権は定年延長することで対応しようとしているが、これで恩恵を受けるのは正社員だけであり、非正規社員には関係がない。
政府や日銀は今回の増税幅が前回と比較して少ないこと、軽減税率があること等を理由に前回ほど景気の悪化は怒らないと楽観的な見方を示している。しかし、それは想定が甘そうである。
日本の人口に占める非正規労働者や年金生活者等の比率は無視できないレベルに達している。そして彼らの生活は度重なる増税や社会保障負担の増加で限界に達している。
収入増の期待できない彼らにとって、消費税増税で可処分所得が減った分だけ消費は減少する。
日本の消費に占める彼ら低所得者の割合は無視できない規模に達しており、彼らの消費する商品の多くは国内の中小企業の製品であり、当然中小企業の業績を悪化させる。
弱者を切り捨て強者の方だけを見た政策を行っていては日本の衰退は決定的にならざるをえない。
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