今年も8月15日を迎え例年のごとく二度と戦争はしない、という言葉がマスコミを通じて報道されている。しかし、当然のことだが戦争はしないと唱えるだけでは何の抑止力にもならない。
そもそも、国民の大部分は何故戦争が発生したかを理解していないからである。先生や親やマスコミ等の第三者から戦争は悪いものだと教えられ、それをそのまま言っているにすぎない。
人殺しは悪いという延長のもとに戦争は悪い、だから戦争はしないと言っているだけである。
不当な攻撃を受け、国民や財産に被害が出れば簡単に世論はひっくり返るだろう。
そもそも、日本人の多くは自分の身に降りかかる危機でなければ、ステレオタイプの建前で物事を判断することが多く、真剣に物事を考えない傾向がある。
憲法などはその典型である。日本国憲法を支持するという国民は現在でも多数派であるが、憲法9条2項には明確に武力を持たないと記載されているにもかかわらず、武力集団である自衛隊を憲法違反として廃止すべきと考えている国民は少ない。
武力を持たないという建前は支持するが、自衛隊は外国の脅威から国を守るのに必要だから廃止すべきでない、という極めて日本的な都合の良い解釈が成立している。
憲法が建前と化し、実質的な規範としての役割を失っている。
一方改憲派の安倍総理も同様である。自衛隊の存在を憲法に明記すると言いながら同時に憲法9条2項も残すという。
これでは日本国憲法は条文内に武力の放棄と武力集団の保有という矛盾を最初から抱えることになる。
現実に合わせて物事を修正することは必要だが、根本規範である憲法をなんとでも解釈できるようにすることは憲法が存在しないのと同様である。
建前と実際がその時々の都合で変わる国においては、毎年8月15日に聞かれる二度と戦争はしないという言葉もむなしく響くだけである。
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