日本では少子化の進行により社会の高齢化が進んでいるが、それと並行して進んでいるのが高齢者の阻害である。社会保障費の増加が問題視され、あたかも高齢者が多額の社会保障を享受していることが諸悪の根源であるかのような印象操作がなされている。
実際のところは社会保障費の増加は高齢者人口の増加によるものであり、個々の社会保障は悪化され続けていることは当然のごとく無視されている。
政府・財務省が次々と繰り出す政策を見ていると、高齢者を邪魔者とし早く死んでくれた方がいい存在と考えているとしか思えない。
年金については、最低限生活に必要な金額はいくらか、という生活費という観点が無視され財政面だけが優先されて年々減額されている。
健康保険についても同じである。国民健康保険の割高な保険料は無視され、財政面だけを考慮し保険料の更なる値上に加え、軽い病気は保険対象外とする動きがある。
定年延長や高齢者の就労についても、その目的は年金支給開始年齢を遅らせることで財政面を改善しようとしているだけであり、高齢者の第二の人生としての就労環境を整備するという視点が見られない。
また、最近目立つ高齢者の運転免許返上キャンペーンについても、公共交通機関を整備する動きは全くなく、高齢運転者を邪魔者として排除し、高齢者を家に閉じ込めその活動を阻害するものである。
このように、政府は高齢者を財政面では金食い虫、生活面でも邪魔者として排除し、能力を活かす仕事というようなぜいたくは言わず底辺の仕事をして食いつなぐことを求めている。
これでは高齢者の消費は増加せず景気も上向かない。さらに40歳をすぎると少し目端のきく者は老後生活について準備を始めるが、このような政府の方針を見れば自分の身は自分で守るほかなく、無駄な支出を抑え老後生活に備えることになる。その結果個人消費は伸びず経済の足を引っ張ることになる。
老後も安心というビジョンを提供し、国民の信頼を得ない限り日本は潜在能力に相応しい経済成長を実現できず、衰退していくだけである。
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