マレーシアで92歳のマハティール氏が野党連合を率いて選挙に勝利し、首相として返り咲くことが決定的になった。マレーシアでは60年ぶりの政権交代であり画期的なことである。
マハティール氏自身、過去の業績をみても世界的な政治家の一人に数えられる実績を有しているが、今回の首相への返り咲きは世界の政治史に残る出来事である。
彼個人の能力によるものであることは間違いないが、一方で高齢者の能力の可能性を世界に見せつけた事例でもある。
日本では会社を定年し、65歳になって年金をもらい始めたら後は余生というような雰囲気があるが、生涯現役を絵に描いたような人生である。
日本では企業や官庁等を含む日本社会全体で高齢者というだけで能力発揮の機会を奪っている
50代後半で能力の有無に関係なく役職からの引退を強制され、60歳から65歳で定年という名目で働く場を奪われている。さらに75歳をすぎると自動車運転をやめさせようとし、銀行取引等の社会的行動にまで一律に制限を加えようとする。
高齢化社会になり、人口の過半が65歳以上の人口が4割近くになることが予定されているにもかかわらず、高齢者の能力を過小評価し活用しようとしないのは大きな問題である。
高齢者には保護に値する者もなくはないが、多くは若者と遜色ない能力を有するか、それを上回る経験を有している。日本政府と社会は直ちに年齢差別を廃止し、高齢者が能力を活用できる社会を目指すべきである。
もう日本に残された時間はあまり多くない。
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