少子高齢化の進行や台頭する中国や北朝鮮の核の脅威の影に隠れているが、1980年代のバブル発生と崩壊以降一貫して日本に衰退の道を歩ませてきたのは、中国やアジア諸国の勃興ではなくアメリカの日本潰し政策である。
1980年代、ジャパン アズ ナンバーワンという本がベストセラーなったが、当時の日本は脅威的な発展を遂げており21世紀にはアメリカを抜き世界一の経済大国になると見做されていた。
今から考えれば笑い話のような話であるが、当時は真面目にそう考えている者が少なくなかった。
アメリカ政府も日本に対し脅威を抱き、日本潰しの謀略を実行した。その結果が現在日本の衰退である。
当時も今もそうであるが、日本は防衛面でアメリカに依存しており、アメリカの軍事的な庇護を失えば、近隣の軍事的脅威に対抗できないという弱みをもっていた。また、経済的にもアメリカへの輸出依存度が高く、アメリカと正面きって敵対できないという弱点を有していた。
アメリカは日本政府に円高政策、半導体分野でのMPUからの撤退、輸出自主規制、国際標準と言う名の各種制度改革の強制を行った。
当時の通産省主体に実施されたMPU分野からの撤退は、日本の半導体産業の衰退に直結した。また、プラザ合意による円高容認とその後アメリカ主導で実施された円高政策は、低金利と金融緩和をもたらし、バブルを発生させた。
また、バブルにより日本企業によるアメリカの不動産購入が問題になると、今度は日本政府に対しバブル潰しを強制した。その結果日銀主導で極端なバブル潰しが実施され、10年以上続いたバブル崩壊不況をもたらした。
さらに、バブル崩壊後、土地等を中心に不良資産が急増している段階で金融機関に国際基準の導入をせまり、不動産の時価評価を強制したことで、多額の含み損が表面化し、バブル後の不況を長期化させ、結果的に今日まで30年近い日本経済の衰退をもたらす原因となった。
その結果、日本経済は崩壊し、アメリカどころか中国にも抜かれ、韓国やその他のアジア諸国と比較しても落ちこぼれ、世界の先進国が毎年数パーセント、新興国は5%以上成長し続ける中、世界で唯一経済成長しない国として30年近い時間をムダにすることになった。
既に落ちこぼれ国となった日本がすべきことは、日本の利益にとって最善のことを効率的に実行することであり、アメリカの為に自国を犠牲にしている余裕はない。
アメリカの頸木から脱し、政治や経済の自主性を確立することは、目の前に危機が迫っている日本にとっては緊急の課題である。
はげみになりますので、クリックをお願いします