日本の政治と他国との違いは、官僚が政治に与える影響力が大きいことである。明治以降官僚はエリートとして国家を指導する役割を担い、国民もまたそれを認めてきた。
しかし、現在においては官僚は既に国民を指導できるだけのエリートとしての資質を持たなくなっている。
明治から戦後の高度経済成長期までは日本の進歩は日本の西洋化であり、官僚は西洋の技術や文明を導入し定着させる先兵としての役割を期待され果たしてきた。
学校秀才である東大卒が官僚のエリートコースとして定着してきたのも、その役割に最もふさわしい素質が東大に入学できるような記憶や論理的緻密さをもつ秀才であった。
だが、現在日本は既に西洋諸国との間に大きな差はなく、日本をリードするエリートの役割は西洋のどこにもない技術やシステム、文明を支援し創造することである。
しかし、残念ながら東大卒の秀才から構成される日本のキャリア官僚にはその能力はなさそうである。
彼らの多くは学校時代わき目を振らず勉強してきた秀才であり、その多くは世間知らずであり、レールからはずれた脇道を理解できない。また、記憶力や論理的展開にはすぐれていても創造力という点においては必ずしも最もすぐれているわけではない。
また、日本の官僚制度の特徴として、
1.人事は完全な年功序列であり、キャリア官僚間においても採用年度を超える能力主義は採用されていない。
2.減点主義評価が中心であり、前例主義が蔓延しており、何か新しいことをして失敗するより、前例通り物事を処理し失敗しない方が出世の確率が高い。
3.省や局の権限を拡大することが評価につながる。
等があり、これらはいずれも今後の日本を発展させる方向には寄与しない。
これらの日本の官僚制度の欠点は
全く社会の実情を理解していないプレミアムフライデーの失敗や、国民に対する愚民意識の反映と思われる、国民や国会議員をバカにした裁量労働に関するデタラメな資料提供に典型的に表れている。
日本の政治においては、選挙で政権交代するだけでは不十分であり、政権奪取後官僚制度を根本的に解体再編成することが不可欠である。
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