裁量労働の導入でムダな残業を減らすということが働き方改革の一つの目玉として提案されている。
しかし、日本企業の現状では裁量労働がその理想通りに機能することは難しい。裁量労働制というのは、「あるタスクを完遂する上で、時間のかけ方や仕事の進め方を、自分の裁量でコントロールし、主体性を持って仕事に向き合う」という考え方に立って、「求められる成果を上げていれば、出退勤は自由」という運用をするものである。
しかし、そのタスクを与えるのは上司である。時間管理がないのを良いことに、上司が業務量を増やしてしまい、事実上労働条件の大幅な悪化となる」といったケースが十分に考えられる。
元々、日本企業の場合、上司が部下の仕事の詳細を把握していない場合が多いので、本来時間内でこなすべき仕事量を適正配分することができない。
日本企業では名ばかりの管理職が多く存在し、これがサービス残業の温床になってきたが、今後はこれに名ばかり裁量労働を追加することで、今より一層サービス残業を増やしていくことになるだろう。
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