日本社会の貧富の格差は、努力次第で挽回が可能な格差ではなく、固定化された階級である、との見解が少しずつ広まっている。
それはかなり事実をついていると断じざるを得ない。
日本社会は欧米や中国等と比較しても起業は難しく、労働者から企業家として成功する道は閉ざされてはいないがかなり狭い。
しかしながら、サラリーマンとして一流企業に就職し出世すればかなりの報酬と安定した生活を得ることができ、出世すれば経営層に入ることも不可能ではない。さらに中小企業であっても正社員として就職すれば、生活できる賃金と退職金・年金を得ることができ、資本家と労働者といった階級的格差を感じることは少なかった。
ところが今日本では負け組であり、その子もまた負け組になる可能性の高い層が生まれつつある。
それが非正規労働者である。同じ労働者といいながらも正規社員の平均年収487万円に対し非正規社員の平均年収は172万円にすぎない。
正社員については安定した地位と賃上げもあるが、非正規社員については雇用も安定せず、賃上げの恩恵も受けにくい。退職金が無いのは勿論、健康保険や年金面でも正社員との間に大きな格差のある者が多い。
少ない給与と不安定な雇用の為、結婚できない者も多く、結婚でき子供を持てたとしても十分な教育を与えることは難しく、その子もまた貧困から脱出することが難しくなっている。働けなくなった老後はさらに悲惨であり十分な年金が期待できない為生活保護に依存せざるをえなくなる可能性が高い。
これはあたかも階級闘争華やかなりし時代の労働者階級の悲哀そのものである。
一旦落ち込んだら孫子の代でも貧困の連鎖から脱出できない。非正規労働者の増加は正に新たな被搾取階級の誕生である。
今の日本経済は非精機労働者という名の新たな貧困階級の奴隷的労働に大きく依存している。労働者不足と言われながら、一向に非正規労働者の生活が豊かにならないのことが、非正規労働者階級の真の姿を証明している。
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