厚生労働省は26日、2018年度の公的年金の支給額を今年度と同額に据え置くと発表した。総務省が同日公表した昨年1年間の消費者物価指数の総合指数は、前年度比0.5%上昇した一方、過去3年分の賃金が平均で0.4%減だった。この場合改定ルール上、年金支給額は据え置かれる。
政府は賃上げを実現するはずだったが失敗しむしろ賃金は下がった。この責任を自分ではとらず、そのまま年金生活者に押し付けたのがこの結果である。
年金制度は様々な改悪をされ、今後物政府の思惑通り物価が上がれば、物価が上がっても年金支給額は上がらず(現役世代の払う年金はそれでも上がりつづけるが)、結果的に年金は減額されつづけ、20年もたては小遣いに毛の生えた程度になってしまうだろう。
介護保険もしかりである。40歳すぎれば多額の介護保険相当分を負担させられ、65歳をすぎれば少ない年金からびっくりするくぐらいの介護保険料を引かれるが、一方で利用しにくにように改悪されつづけている。
利用者負担を重くする施策がここ数年、次から次へと繰り出されてきた。
1.要支援1、2のホームヘルプ(訪問介護)、デイサービス(通所介護)は保険からはずされ市町村の事業に、2.特別養護老人ホームへの入居は原則要介護3以上の人に、3.所得にかかわらず1割だった自己負担は一定所得以上の人は2割に、4.非課税世帯でも預貯金が一定額あれば、介護保険施設の食費や部屋代の補助は打ち切り等々
そして今年決定したのが介護保険利用者の「自立支援」である。介護保険サービスの利用が必要なくなった状態を「自立」と呼び、介護保険から「卒業」させる動きである。
結局のところ、年金にしろ介護にしろ誰にでも訪れる老後に対応し安心して生活する為のものであり、必要性に応じて始まった制度であるが、現在高齢者の増加による財源不足の脅威に直面している。
これに対し、官僚主導の政府の対策は、当初の目的を軽視し支出を減らすことに終始しているとしか思えない対応を繰り返している。
このまま官僚の短絡的な視点で社会保険が改悪されつづければ、日本は高齢になり収入が無くなったり、介護状態になれば座して死を待つしかない社会になってしまう。
「生活に困ったり介護状態になれば自殺する。」ということが自分にとっても後に残す配偶者や子供にとって最善の選択になるようなすさんだ社会であっても、支出を減らせるものが官僚の理想とする社会保障制度でないことを祈るばかりである。
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