日本では過労死問題とか、企業ぐるみの不正とか、企業をめぐるトラブルが後をたたない。
その原因は企業と労働者の力関係が圧倒的に企業優位になっていることにある。社会常識や個人の生活と企業の都合が対立した場合には大抵の場合企業の都合が優先されることになる。
労働者の立場が圧倒的に弱いのは日本社会に年齢差別が存在するからに他ならない。
内閣府は、景気の現状などを分析した報告書を公表したが、転職前後の賃金変化率について、04〜16年にわたって分析した結果、正社員などの一般労働者が別の正社員職などに転職した場合、40歳以上の年齢層では、調査期間中、常に賃金が減少していた。
新卒一斉採用の日本社会では経験を積んで転職しようとしても、その経験が賃金に反映されない。これでは不利益を被ることを覚悟しない限り、会社の不当な要請を拒否することは困難である。
高齢化社会においては、年齢に関係なく能力ある者はその能力にふさわしい職と賃金を得ることが必要であるが、日本社会に根差した不合理な年齢差別がそれを妨げている。
少子高齢化の進行の中で日本社会が以前のような活力を維持していく為には社会から年齢差別を排除していくことが不可欠である。
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