安倍政権の主たる公約が経済成長であることは間違いない。安部本人もそれを口にし、企業に対し賃上げを要請している。
これは安倍が経済成長が必要であり、日本が経済成長するには個人消費の拡大が必要であると認識しているからである。
賃上げを実施し、それを大企業だけでなく中小企業まで拡大することで、個人消費を増やし内需を拡大して経済成長を加速する。
これは政策としては正しい方法である。しかし、増税政策とは明らかに矛盾する。
勿論現代日本では賃上げの恩恵を受けない年金生活者や非正規労働者の比率が高いため、せっかくの安倍総理の賃上げ政策も期待したほど個人消費の拡大に繋がらないが、増税はそれ以上に個人消費の拡大を妨げる。
消費税が2%あがり10%になっただけで賃上げ効果のほとんどは相殺されてしまう。また、800万円以上のサラリーマンについては給与所得控除を減額し増税することをほぼ決定したが、これによる個人消費の減少も無視できない。
2015年の民間給与調査によると800万円以上の給与収入のある男性労働者は男性労働者全体の13.67%を占めるが、彼らの個人消費に占める重要性はそれ以下の層より大きく、この増税は個人消費を増加させ景気浮上を図ろうとする政策とは本来相いれないものである。
過去20年以上自民党政府の政策は全てそうだが、アクセルとブレーキを同時に踏む政策に終始している。
その結果、多額の税金を投入した経済政策は財政を悪化させるだけで経済浮上に成功しなかった。今回、企業が身を削って賃上げを実現しても増税で相殺され経済成長にはつながらないだろう。
日本はもう20年以上財政危機という名の妖怪に取りつかれている。妖怪の製造元である財務省は、マスコミ等を通じ、あたかも財政再建には一刻を争うかのようなプロパガンダを繰り返し、せっかくアクセルを踏んだ成長戦略をブレーキを踏む増税政策で帳消しにしてきた。結果日本は20年以上も時間を浪費し、世界における地位を低下させ韓国や中国に侮られる体たらくに陥ってきた。
安倍が前回の選挙で絶対的な権力を維持できたにもかかわらず、財務省の呪縛から逃れられないとすれば、それは安倍の無能の証明に他ならない。
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