台風の影響で南海電鉄本線が寸断されている。鉄橋の線路がゆがみ回復のめどはいまだにたっておらず、下手をすれば1年近く不通のままである。
死傷者も無く、和歌山市、難波間というマイナーな区間であり、全国的にはそれほど話題になっていないが、もし関空、難波間で発生していれば大騒ぎになっていただろう。
この鉄橋は1918年に作られたものであり、既に100年近く経過した古いものである。しかし、問題なのはこの橋が例外ではなく、南海にはまだまだ100年近く経過した橋がたくさんある。
さらに、南海電鉄だけではなく、JRにおいても他の私鉄にしても老朽化した鉄橋等が未だに現役として使われている。
勿論、鉄道だけでなく道路等にかかる橋でも老朽化したものが少なからずあり、常に大事故の可能性にさらされている。従来鉄道の補修は企業に任せてきたが、危険な古い施設が増加している現状を見れば、鉄道インフラの補修整備は国が緊急に対処すべき課題でもある。
政治家はとかくオリンピックのような脚光を浴びるものに金を使いたがるが、多くのインフラが寿命を迎えつつある歴史ある産業国家としての日本では、注目を集める新しい土木工事や建設に金を使うよりは、インフラの補修整備を優先すべきである。
それが国民に目を向けた地に足のついた政治の在り方である
その意味では、2020年の東京オリンピックに税金を使うよりは、古いインフラの補修整備に使うべきであった。
今更言ってもどうにもならないが、大事故が起こる前に今以上に積極的に老朽化したインフラの補修整備に力を入れるべきである。
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