改正酒税法が6月1日に施行される。この法律は量販店やディスカウント店などによる行きすぎた酒の安売りに歯止めをかけ、中小の酒店の経営安定を狙るという趣旨で去年、議員立法で成立した。
実にくだらない法律である。酒販組合に恩を売り選挙で票を稼ぎたいというのが自民党議員の本音だろうが、そんな規制を加えたところで絶滅危惧種の街の酒屋が復活することはありえない。
ビールの値上げで家計が圧迫され、国民と他の小売業界が迷惑するだけである。
そもそも、既存の業者の既得権を守るための規制など百害あって一利もない。規制などというものは結局のところ、政治家や官僚が影響力を行使し利権を得る機会を増やす為に使われるものである。
その規制により産業が発展することはないし、規制の恩恵を受けているはずの既存事業者も大いに潤っているということはない。
規制産業の代表である農業は、衰退を続けておりこのままでは後20年ほどで消滅しかねない。多額の振興予算を吸収しつづけてきた各地の商店街はますます寂れシャッター街は増えるばかりである。
料金規制が新たに設定されたタクシー業界も、それにより会社も運転手も潤ったという話は聞かない。
加計学園のトラブルにしても、そもそも獣医学部の設立を自由化しておれば発生しない。別にどこにいくつ獣医学部があってもいい。新規に参入するところは本来新規参入してもやっていけるという経営判断をして参入するはずである。当てが外れたら倒産すけばすむ話である。学生も獣医学部が将来性があると判断して進学すべきである。その判断が間違っていればその責任は自分で負うべきである。
そもそも、政府はご親切に法人や個人が不利益を被らないように規制する必然性は何もない。国民の安全を守る為の規制は必要だが、既存の業者を守る為の規制は不要である。
既存の業者の既得権を守る代りに票を得てきた古い自民党や規制の存在により権限を増してきた官僚組織にとっては規制は必要かもしれないが、それが日本の発展を妨げている。
日本が成長する為にはこのような規制を撤廃することは絶対に必要である。
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