日本経済の問題点として、日本企業の生産性の低さが指摘されることが多い。日本の労働生産性がOECD加盟国34ヵ国中第21位と知った時に世界第三位の経済力を誇る日本の生産性が何故こんなに低いのか違和感を感じたものである。
日本人一人一人の労働の効率性が悪いから生産性が低い、という見方には同意できなかった。むしろ、日本企業の収益性が低いから結果的に生産性が低く評価されるとみるべきである。
日本企業の収益率が低い原因としては類似の製品の価格競争が考えられるが、もう一つ無視できないのが過剰なサービスである。
日本では「お客さは神様だ」という言葉があり、客の要望に対しては無理なものであってもできるだけ応えようとする傾向がある。
しかし、この過剰なサービスが日本企業の収益率を低下させ、生産性を悪化させていることは間違いない。
端的に言えば、利益に繋がらないサービスは止めるべきである。
その意味で今回ヤマト運輸がアマゾンの当日配送から撤退するというのは正しい決断である。
先行き当日配送をするコストが節約できる可能性があり、採算がとれるのであれば、継続することは正しい判断だが、加重な労働とコストをかけないと対応できず採算がとれないとすれば撤退するのが正しい判断である。
日本ではドンブリ勘定で、その業務で採算がとれなくても全体で利益がでていればよいとする風潮がある。しかし、その判断は綿密な行動予測やコスト計算に基づくものではなく、根拠の無い大まかな勘に基づくものにすぎない。
個々の業務について良く分析し、コストに合わない過剰なサービスを止めることが日本経済の生産性を高める第一歩である。
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