文部科学省は3月31日、新学習指導要領での中学校体育の武道種目に「銃剣道」を追加すると発表した。
武道とは明治維新以降に古武道から発展したもので、人を殺傷・制圧する技術に、その技を磨く稽古を通じて人格の完成をめざす、といった道の理念が加わったものとされており、、柔道、空手道、剣道、相撲、弓道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道などが該当する。
文科省は当初銃剣道を外していたが、自衛隊出身の佐藤正久議員からの強い働きかけがあったとも言われている。
武道が必修化された目的は、武道の学習を通じて我が国固有の伝統と文化に、より一層親しむことにあるとされている。しかし、柔道から少林寺拳法までの武道については明治以降スポーツとして学習されてきたものだが、銃剣道だけは最初から人を殺すことを目的として学習されてきたものであり、その性質は大きく異なる。
また、銃剣道が日本の伝統武道といえるかという疑問もある。そもそも銃剣道は17世紀フランスのバイヨンヌ地方で誕生したものであり、それが幕末にフランス式軍事技術を導入するときに日本に伝わったものであり、日本の伝統的武術とは言えない。
明治以降の日本軍の伝統的戦闘技術にすぎない。
そもそも、銃剣道など学校で教える意味は無いばかりか、自衛隊で学んでいること自体問題である。
銃剣道などは弾薬が尽きて最後に銃自体を刃物や鈍器として殺し合う、といった状態にのみ適する戦闘技術であり、現在の戦闘においては実戦としてはほとんど役立たない、旧日本陸軍の観念的な精神主義の残りかすにすぎない。
学校で銃剣道を学ばすことの無意味さは当然であるが、いまだにそんなものを学ばせている自衛隊という組織の軍隊として後進性に大いに懸念せざるをえない。
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